白菜の漬け物を作ってみたら、なぜか苦手な味がした…
これって腐ってるわけじゃないよね?
心配無用です、腐ってはいないので食べても大丈夫ですよ。
ただ、もっと甘くして美味しくいただきたいですよね。
この記事で、白菜の苦みを軽減する方法をご案内します。
ぜひお試しください。
こちらで解説するポイント:
・ 白菜がなぜ苦いのか
・ その苦みを和らげる方法
白菜の苦味の背後にある理由とは?
自然の成分が引き起こす遺伝的特徴
白菜は、アブラナ科の植物です。
菜の花、かぶ、キャベツ、ブロッコリー、水菜など、この科には苦味を持つ野菜が多く含まれています。
特にカイワレ大根のように、その辛味と苦味が目立つものもあります。
この苦味と辛味の原因となっているのは、「イソチオシアネート」という成分です。
この成分は本来、害虫から植物を守るために存在します。
また、この成分には発がん性物質の解毒を促進する効果があり、特に乳がん予防に効果があると最近の研究で示されています。
さらに、血栓ができにくくなる効果や動脈硬化の予防にも役立つとされています。
ですが、この有益な成分であっても、苦味があると食べづらさを感じることがあります。
品種改良によって白菜を含む多くの野菜の苦味は減少していますが、時に「遺伝的な特性の復活」という現象が起きることがあります。
野菜はもともと人間が食べやすいように何度も品種改良が重ねられてきました。
しかし、その過程で時々、原種に近い特性を持つ野菜が現れることがあります。
これが「遺伝的な特性の復活」の現象です。
この現象によって生まれた野菜は、改良前の苦味や辛みを強調していますが、食べるにあたっては全く問題ありませんので、安心してください。
土壌の状態と栄養過多が引き起こす白菜の苦味
白菜をはじめとする野菜が育つ環境で、土壌中の窒素濃度が高い場合、栄養バランスが偏り、その結果として苦味が生じることがあります。
土壌に窒素が多い理由とは
その主な理由は、肥料の過剰な使用です。
窒素は植物の成長に欠かせない重要な栄養素であり、特に葉の発育に良い影響を与えます。
そのため、葉物野菜には特に多くの窒素が必要とされますが、夏の時期に栽培される白菜にはこの問題が顕著に見られます。
白菜は、本来11月から冬季にかけて旬を迎える寒冷地の野菜であり、霜が降ることで甘みが増し、葉が柔らかくなります。
しかし夏場には霜が降らないため、また冬場でも霜の影響を受けにくい環境では、苦みが増す傾向にあります。
人工的な栄養素の供給が過剰になると、窒素量が増え、それが苦味を強める原因となります。
窒素濃度が高まると、白菜の表皮に黒い斑点が現れることがあり、これはポリフェノールの一形態であり、食べても安全です。
しかしながら、この黒い斑点は白菜が感じるストレスの指標であり、「ゴマ症」と呼ばれることがあります。
これは白菜が窒素を過剰に摂取していることを示す警告信号です。
切り口からの苦味増加とその対策
切られた白菜や他の野菜が時折強い苦味を帯びることがあります。
この現象は、野菜を切断した後に時間が経つことで起こります。
野菜をカットすると、断面が空気にさらされ、その結果活性化する酵素が苦味を生じさせます。
時間が経過するにつれて、空気に触れる時間が長くなり、結果として苦味が増していきます。
白菜を含む葉物野菜でも、この原理は変わりません。
野菜が腐っていなければ、苦みがあっても食べられる状態にあります。
白菜が腐るとどうなるか、黒い斑点や点々が現れる原因、新鮮なものを見分ける方法、そして賞味期限や適切な保存方法についても知っておくことが大切です。
季節による白菜の味の違い:旬を外れた時の苦味
白菜は、11月から2月の冬期間が一番おいしい旬の時期です。
このシーズンの白菜は甘みが強く、食感も最適です。
冬に成長する白菜は寒さによって甘みが増すため、この時期のものが特に好まれます。
旬の時期を外して白菜を食べると、普段期待する味わいと異なり、苦味を強く感じることがあります。
白菜の苦味を減らすための工夫
加熱による調理
白菜に含まれる苦味の原因となる成分「イソチオシアネート」は、加熱することで減少します。
これにより、白菜の甘みがより一層引き立ちます。
加熱の方法として、手軽にできる茹でる方法が効果的ですが、電気圧力鍋を使って短時間で高温加熱する方法もあります。
苦味が強いと感じる場合、一度茹でた後の湯を捨ててもう一度茹でることで、さらに苦味を減らせます。
しかし、この方法を用いると白菜の食感は柔らかくなり、生で楽しむシャキシャキ感はなくなってしまいます。
そのため、煮込み料理やシチュー、鍋物に向いています。
塩もみ
白菜を塩もみすることも、苦味を軽減する効果的な手段の一つです。
この方法では、白菜をよく洗った後、塩をまぶして手で揉み込みます。
塩もみすることで白菜から不要な水分が抜け、苦味成分も一緒に除去されます。
この処理により、白菜の歯ごたえはそのままに、苦味を減らすことができます。
塩もみした白菜は、軽く水気を切ってから冷蔵庫で冷やし、サラダなどに利用すると良いでしょう。
白菜の味を調整するドレッシングの選び方
白菜の苦味が気になるときは、濃厚なドレッシングを使って味を調えるのが一つの解決策です。
特にゴマドレッシングやめんつゆをベースにしたドレッシング、または味わい深いタレなどが、苦味を感じさせないようにするのに効果的です。
さらに、マヨネーズは苦味を和らげるのに特に役立ちます。
マヨネーズにゴマやめんつゆ、タレを加えてアレンジしたドレッシングは、苦味を上手く隠しながら自分好みの味わいを楽しめます。
白菜を上手に消費するための保存テクニック
白菜を長く保存するほど、苦味が強くなる傾向があります。
そのため、購入した白菜はなるべく早めに食べ切ることが推奨されます。
できれば、丸ごとの状態で購入し、必要な分量だけを選んでください。
もしも多く購入してしまった場合は、漬物にして保存するなどして早期に使い切ることが望ましいです。
主には冷蔵保存が基本ですが、夏場を除き白菜は比較的長持ちする野菜なので、冷蔵庫での保存が適しています。
また、白菜を小分けにして真空パックにし、冷凍保存する方法もあります。
使用する際は、水分が出過ぎないよう、凍ったまま調理に利用するのがコツです。
白菜の風味を活かす工夫:特有の苦味への対応策
白菜が持つ苦味は、必ずしも不快なものではなく、アブラナ科の野菜特有の味わいの一部です。
アブラナ科の野菜は独自の風味を持ち、時に子ども達から敬遠されがちです。
生の状態では特にその苦味が顕著になり、不調時には大人もこの苦味を敏感に感じることがあります。
これは、体が苦味を天然の警告シグナルとして捉えるためです。
白菜に存在するイソチオシアネートという成分は、本来害虫を避ける役割を果たしています。
このため、苦味を隠すための調理法には、子どもが好む野菜の食べ方を参考にすると良いでしょう。
例えば、菜の花のような春野菜も苦味が特徴ですが、子どもが楽しんで食べるレシピを応用できます。
白菜はその薄味が、様々な料理にマッチしやすい利点を持ちます。
・ マヨネーズやゴマドレッシングを使用したサラダや和え物
・ 肉と一緒に炒め、濃厚なタレで味付けをする
・ 茹でてから餃子の具材に加える
・ トロトロに煮込んだホワイトシチューにする
・ 茹でてから、チーズをたっぷり加えたグラタンにする
・ 細かく切り、ラーメンのトッピングとして使用
・ 味付けが濃い味噌やキムチ鍋などの鍋料理
白菜を使う際は、その多い水分を意識し、料理前にきちんと水気を取り除くことが重要です。
上記のようなアプローチを取り入れることで、白菜の苦味を巧みにカバーしながら、美味しく頂くことが可能です。
白菜の風味に関するよくある疑問
白菜の風味を左右する成分とは?
・ ポリフェノール
・ イソチオシアネート
これらの成分が、白菜の味に辛味や苦味を加える主要な理由です。
白菜以外にも、
・ キャベツ
・ ブロッコリー
・ 菜の花
・ 大根
など、イソチオシアネートを含む野菜も多く、これらの野菜を食べる際には、特有の風味に注意が必要です。
イソチオシアネート以外にも、ポリフェノールが同じく辛味や苦味の原因となり得ます。
特に白菜に見られる黒い点は、ポリフェノールが凝集したもので、これらは健康に良い効果があるため、摂取しても問題ありません。
ただし、黒点が多い場合は苦味が増す可能性があります。
辛味や苦味を好まない方は、黒点の少ない白菜を選んで購入すると良いでしょう。
白菜の最良の季節
白菜は、10月から2月にかけての寒い時期が旬です。
この間、白菜は豊富に出荷され、市場には大量に流通し、価格も比較的安価になります。
寒さに対抗して糖分を蓄えるため、冬季に収穫される野菜は特に甘く、風味豊かになります。
白菜の健康効果
白菜には以下の栄養素が含まれています(100gあたり):
・ カリウム:220mg
・ カルシウム:43mg
・ 亜鉛:0.2mg
・ ビタミンA(β・カロテン換算):99μg
・ ビタミンK:59μg
・ ビタミンB1:0.03mg
・ ビタミンB2:0.03mg
・ ビタミンB6:0.09mg
・ 葉酸:61μg
・ ビタミンC:19mg
・ 食物繊維:1.3g
このように、白菜は低カロリーで栄養満点、非常にヘルシーな野菜です。
特に、カリウムが豊富に含まれており、体内の余計な塩分を排出するのに役立ちます。
塩分が気になる鍋料理には、白菜を加えることがおすすめです。
【まとめ】苦い白菜の利用法
白菜の苦味に関する原因と対処法を紹介しました。
苦味を避けるには、ポリフェノールが少なめの、すなわち黒い斑点が少ない白菜を選ぶことが大切です。
しかし、万が一苦い白菜を購入してしまった場合は、加熱することで苦味を減らせます。
そのため、白菜を大量に使える鍋料理は特にお勧めです。
栄養豊富で健康に良い白菜は、特にその旬である冬に積極的に食べたい食材の一つです。